イベント「議員ウォッチ47 統一地方選スペシャル #核廃絶をあなたの街から」を開催しました

2023.04.03

4月3日に、イベント「議員ウォッチ47 統一地方選スペシャル #核廃絶をあなたの街から」を開催いたしました。メディア関係者も含め約30人のご参加がありました。

\統一地方選と核兵器禁止条約/

はじめに、川崎哲代表は、「統一地方選と核兵器禁止条約」という視点で、現状認識を話しました。以下、要旨。
・議員ウォッチは、国会議員のみなさんに行動を起こしてもらうために始めたプロジェクトで、2019年の開始時は11%しか明確に賛同していなかったが、現在35%を超えた。国会議員は、国政選挙(の少し前)から政策を訴え、国民の声を聞くようになる。そのタイミングで意思表明を求めてきた。ただ、まだ3分の1ということで悩んできた。

・その中で、ウクライナでの戦争が始まり、核兵器の使用を現実の問題と感じている。使用の寸前だが、市民の声が広がって、また国際レベルでも停戦と核兵器の不使用を求める声があがり、使用が食い止められていると思う。その意味で、核兵器禁止条約をなるべく早く国際共通ルールとして確立しないといけない。そういう今だからこそ、条約に全ての国が参加する状況が必要で、日本の意味も大きい。

・草の根レベルから声が上がらないとダメだと気がついた。国会議員は選挙のときはアンケートの答えるが、それぞれの地元で声があがり、問題が表面化してくることが重要。「核問題について答えないと地元でやっていけない」状況を作ることが重要だ。議員ウォッチは、国会議員だけでなく、都道府県知事の4割、市区町村の3割が条約に賛同していることも可視化してきた。それが広がれば、国全体で核問題と向き合おうという声がでてくる。その声を広げるために、議員ウォッチ47を始めた。

・「国の方針を津々浦々から」という変化は議員の意識の問題だけでなく、市民の意識の問題でもある。身近なところから政治アクションをする必要がある。市民も政治アクションができるようになっていくと連鎖反応で、問題意識が広がりうる。この大きな問題を、私の町から、あなたの町から広げていこう、という提起だ。


\議員ウォッチ47の現状/
議員ウォッチ47は、3月末までに、30道府県を訪ねました。

リサーチャーの徳田悠希さんが静岡を訪ねたのは、3月1日のビキニデー(第五福竜丸などが、ビキニ環礁での核実験で被ばくした日)でした。

地域からの声が状況を大きく変えると感じたのが、静岡県の地方議員たちとの面会です。昨年、静岡県と静岡市、それぞれから「核兵器禁止条約に日本政府のオブザーバー参加を求める意見書」が出されている。それぞれ、自民・公明党議員が意見書採択を推し進めてきた経緯があります。ある自民県議は「党本部とかけあい、政調会長会の了承を得て、意見書採択に臨んだ。自民党の中でも、核兵器禁止条約の存在感が広がっている」と話しました。また、自民党内でも、岸田首相の核軍縮への思いを後押ししているのが地方からの意見書だろう、との声を聞きました。議員ウォッチャーズの倉本芽美さんからは、岡山、島根、山口、広島各県を訪ねた報告がありました。山口県では原発反対の集会に、広島県内では、5の市町村を訪ねました。また岡山では県の総務課と面会しました。被爆2世の村上さんともお会いしました。島根では、島根大サークル「Peace Line」さんと共催イベントを開催しました。中国地方(広島県)でのキャラバン企画の報告はこちらから。
リサーチャーの住田奈津子さんは、島根でのイベントに参加した市議会議員が「日本が世界の中でどう動いていくか、ビジョンが必要だ」と話されていたのが印象的だと語りました。

リサーチャーの中村涼香さんは、3月に秋田県を訪ねました。秋田県知事はすでにヒバクシャ国際署名にサインをしています。秋田県の担当者は、「核兵器禁止条約は出口として重要だ。ただ、核保有国も近くにあり、現状では、核の傘が必要だと思う。戦争被爆国として、保有国に働きかける意味はある。自分たちは地方から国に声を届ける役割を担わないといけないと考えている」と話されていました。秋田ではイージスアショア建設問題で、「国防は国が担うもので、住宅地が密集しているエリアで担うものではない」として県知事も反対したという話を伺いました。


\政策アンケート実施中/

マネージャーの松村真澄さんは統一地方選に向けた「強化週間」として、過去の国政選挙と同様に、候補者への問いかけを始めていることを紹介しました。毎日5~10件の登録があり、イベント当日(4月3日)までに、合計80名の登録がありました。
【統一地方選 アンケート結果】候補者に「核兵器禁止条約 Yes or No?」と呼びかけましょう!

各地で、議員ウォッチの動きと連携して、政策アンケートを求める動きがあります

\東京都練馬区/
2月中旬から準備を進め、3月6日に直接区議会にアンケートを持参した。現職、立候補予定者合計50名。4月3日時点で回答は38人。質問内容は2点。
①「非核三原則の是非」については、賛同21人、不賛同0人、どちらともいえない17名、②「核兵器禁止条約の賛否」は賛同20人、不賛同1人、どちらともいえない17名となりました。
詳細結果はこちらです。

徳田は、党や国政優位のトップダウンではいけない。地方の議員とのつながりができたので、今後に活かしていきたいと思う、とコメントしました。練馬区在住の新藤絹代さんは、「若い人がアンケートを求めにくると反応が全く違う。また、会派ごとに訪問したが、回答率が低く、会派内で十分に共有がなされていないという感触もある。現職議員がアタックしやすいが、新人や元職は連絡先がなかなか分からないのは問題だ」と話されていました。

\京都市北区、左京区、中京区/
京都在住の倉本芽美さんは、2月に京都で講演したことをきっかけに、京都の市民のみなさんと連携して、政策アンケートを行っています。
これまでに7人から回答がありましたが、返答率は30%ほどです。返信がある人はたいてい、核兵器禁止条約に賛同し、原発推進の回答で、共産、公明、立憲各党が主です。エネルギー問題が京都ではホットです。「議員ウォッチがあって心強い」ともおっしゃっていました。

アンケート結果はこちらです。(以下、一例)


\神奈川県横浜市など/

横浜市在住の郡司真弓さんは、平和を掘り下げていこうとチャリティーショップ「NPO法人WE21ジャパン」の運営などを行っています。アンケートでは、防衛費拡大の是非や核兵器禁止条約の賛否、神奈川県内は沖縄についで(米軍)基地関連施設が多い県なので「ノースドックの拡張の是非」などについて、質問しました。3月中旬に送りましたが、3月20日の期日になっても何も来ない。ようやく来たのが社民党と神奈川ネットワーク運動だけでした。さらにプッシュもしたが来ていません。「日頃から平和について考えていれば、解答は難しくないと思ったが、そうではないようだ。神奈川では核禁条約批准の意見書採択数も少ない。現在、地域ごとに手分けして、議員個人宛にアンケートを書いている」と話されていました。

横浜の結果はこちらから。


\長野県上田市/

議員ウォッチャーズの羽田蒼馬さんは、3月末に6人の(地元の)長野県上田市の候補者に質問状を出し、2名から回答がありました。
「自民党籍を持っている新人に送ったら、様々なプッシュの甲斐もあって、核兵器禁止条約に賛同との返答があったのが嬉しかった。保守的な議員とも核兵器はいけないよね、というところで、つながれると嬉しい」と話していました。

3月に上田市でもワークショップイベントを開催し、「核兵器をなくすために私ができることはなんだろう?」などのテーマで話し合いました。「核の問題を身近に捉えてもらうことができたのでは、とも思う。さらに、長野で、あるいは中部地方で交流の場を作り続けたい」とコメントしています。参加した松村真澄さんは、イベントの参加者から「議員ウォッチでは甘くて、”議員プッシュ”が必要だ」という声もあり、「賛同する議員に投票する」という行為も必要になると話しました。


\レッツ・アクション! やり方/

「議員ウォッチ47 レッツ・アクション!」と題して、やり方を図にしてみました!



SNSの場合は、こちらの候補者予定フォームを送りましょう!
議員ウォッチャーズさんの投稿例はこちら

またSNSは使っていない場合は、FAXを送る手段もあります。FAX例はこちらです。
*返答が、届いた場合は、情報を議員ウォッチ(info[@]giinwatch.jp)にお送りいただければ、議員ウォッチで反映をします。
*例に記載のFAX番号は直接、議員ウォッチに返送されます。

中村典子さんは、兵庫県被爆二世の会として、FAXでのアンケートを実施しています。中村さんは、「兵庫では初めてのことなので、議員ウォッチにやり方を聞きつつ、やっている。兵庫にきてくださった高橋さんや倉本さんの話を聞いて、背中を押してもらった感じがする」と話しています。

議員ウォッチャーズの福原さんは「区民の声 中野」さんなどのアクションを紹介して、議員の考え方の可視化を進めていこう、そのための連絡会的なネットワークができないか、ともお話されていました。

リサーチャーの高橋悠太さんは、「ジェンダーを考えるこうべ市民有志の会@東灘区」さんの政策アンケート特設サイトを紹介しました。ジェンダー政策と言われる中でも、より具体的で、身近なポイントを聞いています。核兵器禁止条約への賛否との傾向も読み取れる、としました。また、「コープ自然派奈良」さんの選挙ビンゴを紹介し、「ポスターを見ること」「演説を聞くこと」、どんな小さなことからも政治参加は始まる。大規模なアンケートは大変ではあるが、まずは地元の数人の議員から問いかけていくことが大切だと思う、と話しました。

広島市内では、「カクワカ広島」さんによる「核政策アンケート」が投票の参考になります!また、「ジェンダーを考えるひろしま県民有志」さんによるジェンダー政策候補者アンケートもご参考に!各回答テキストはこちら。広島県議選挙は、なんと11選挙区で27人が無投票で当選。そんな方々はほとんど回答をくれなかったそうです。画像でわかる一覧はこちらから。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。