1月22日に、核兵器禁止条約は発効から1年を迎えました。年明け以降の核兵器禁止条約に関する国会議論が盛んに行われていますので、まとめました。【随時更新】
1月19日 泉健太代表(立憲民主党)
衆議院本会議
泉代表
「3月に行われる核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加してはどうか」
岸田首相
「我が国は唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界に向けて取り組んでいく。同条約には核兵器国の参加がないことから(オブザーバー参加よりも)核保有国の関与をさせるため、米国との信頼関係を構築したい。」
1月21日 山口那津男代表(公明党)
参議院本会議
山口代表
「核兵器国が発表した共同声明を核兵器禁止条約への核保有国の参画につなげていくことが重要。
公明党は核兵器禁止条約の締約国会合にオブザーバー参加を訴えてきた。首相が提唱した国際賢人会議に賛同しているが、具体的になにを目標とし、いつ、だれを招聘するのか。」
岸田首相
「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議では、核兵器禁止条約の参加国と非参加国が立場を超えて具体的で自由闊達な議論を目指したい。
また、有識者の参加に加え、政治リーダーも関与させる会にしたい。」
1月21日 小池晃議員(共産党)
参議院本会議
小池議員
「締約国会議にNATO加盟国のドイツのノルウェーがオブザーバー参加を表明する中で、(日本は)なぜ参加しないのか。…核兵器の非人道性を国際社会に訴え、条約に参加して核兵器国に廃絶を迫ることが唯一の戦争被爆国の役割ではないか。」
岸田首相
「核兵器禁止条約は核兵器のない世界に向けた出口にあたる重要な条約。しかし現実を変えるためには核保有国の協力が必要だが、同条約には核兵器国の参加がない。核兵器国を関与させる努力が必要。まずは唯一の同盟国である米国との信頼関係を構築する。」
1月26日 江田憲司議員(立憲民主党)
衆議院予算委員会
江田議員
「(日本の核兵器禁止条約へのオブザーバー参加について)条約の承認はいらない。だったら日本が(核保有国と非保有国の)橋渡し役として世界的なプレゼンスを愚直に示していく。国際社会でこういうポジショニングを取るのが将来的な日本への評価につながる。」
岸田首相
「核兵器禁止条約とNPTをどう結び付けるかが大事だ。…今一度NPTに基づいて、努力をしてきた今までの成果をしっかり振り返り、一歩でも核兵器禁止条約に近づけるように努力していくことが現実的な取り組みだ。」
1月31日 空本誠喜議員(日本維新の会)
衆議院予算委員会
空本議員
「「禁止条約は出口にあたる重要な条約」というが、総理の基本姿勢、まだまだ後ろ向き。
賢人会議を立ち上げられた。これは良いことです。…が、有効性があったのか、必要性があったのか。「2050年・核兵器廃絶」といったような、明確なゴールを示していただくことはできないのでしょうか。」
岸田首相
「核兵器禁止条約に「検証方法」などがあればもっと素晴らしいと思うが、少なくとも「出口」にあたる重要な条約。
核兵器国と非核兵器国、その中でも核禁条約重視国とNPT重視国では全く対話の道筋が見えない。皆が同じテーブルについて、目指すところは同じという議論ができないか、というのが賢人会議の意味。
「いつまでに」ということを言えるほど、核軍縮・不拡散の世界は甘くない。これまでの経験で、簡単に期限を言うことができない。」