4月15日19時から、YouTubeにて「国会議員に聞く!核兵器禁止条約と日本」と題し、公明党の平木大作参議院議員と対談をしました。平木さんは、公明党核廃絶推進委員会の事務局長です。当日の議事録をまとめました。
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1. ウクライナで核の危機が高まっている中、核を使わせないために、また核兵器を廃絶するために日本ができることは?
ロシアの侵攻、急に核兵器の使用を自分ごととして捉える人が多くなったと思う。戦後77年間、一度も核兵器が使われなかった。その事実は重要で、今回もロシアに使わせないということが大事。まずは経済制裁が大事だろう。現在は新冷戦とも言われている。冷戦期は経済的にも完全に二分割されていたが、現在は密にリンクしている。経済制裁をしっかりと行うことで停戦合意まで持っていかなければならない。
核兵器国のロジックは核抑止だが、そこには「実際に使ったらどうなるのか」という人道の視点が抜け落ちている。これはもしかすると、日本人の中でもまだ自覚が足りていないのかもしれない。それをどのように国際的に訴えていくか、日本の役割が問われている。
2.核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開かれるが、そこに日本が果たすべき役割は何か?
できることならば日本が堂々と締約国会議に参加することが望ましいが、まずはオブザーバーとして参加すべきだと他党に先駆けて訴えてきた。その意思は変わらない。最後の可能性を諦めずに訴えていきたい。
日本政府は慎重だが、公明党は日本にしかできない貢献があるのでは?と問いかけてきた。被害者・環境援助がまずは重要だと考える。また人的な貢献という意味では、被爆者・ユース非核特使が日本の経験を話してくれることも大きな効果がある。さらに会議開催費の負担の問題があるが、これまで日本が参加してきた化学兵器禁止条約などの会議でも、会議の開催にかかる費用はたいていは4000万円程度。その一部を日本が負担したとしても、日本政府にとってはあまり大きな負担ではない。
一番の課題はウクライナ情勢だ。どうすべきか、私も悩みの渦中にある。日本政府はさらに慎重にならざるを得ない。日本は締約国会議に参加すべきで、これをアメリカに正面から訴えればいいと当初から言ってきた。しかし、「核態勢の見直し」(現在ファクトシートだけ先行で公開されている)では、これまでより踏み込んだ内容は記載されていなかった。その意味では、敷居が上がったとも捉えている。
3.核兵器禁止条約を含め、この問題への関心やコミットメントを日本の国会で高めるために、何をしますか。
昨今、核共有などの議論が一人歩きしてしまった。日本での核兵器に関する議論が軽く、成熟していないと感じる。非人道性と核抑止と、両極の議論が一切、交わらずにここまで来てしまった。核兵器国がどのようなロジックで核抑止力を主張しているか、などの検討が十分にされてこなかった。国会でも重要な論点として追求していくべきである。
日本は両者の橋渡しをするといいながら、その軸足は核抑止にある。岸田首相は核兵器禁止条約が出口だというが、実効性をもつためには条約に核保有国である米国、ロシア、中国、英国、フランスの5か国を連れていくと言っており、保有国側から橋をかけようとしている。だが、日本は被爆国で、人道性の側から橋をかけることができるし、していくべきだと思う。
最後に
まだまだ国会議員の核廃絶に向けた熱とリテラシーと足りていない。みなさん、自分の選挙区の議員にぜひどんどん聞いて言ってほしい。議員は質問を向けられて初めて勉強する部分がある。自分ももっと勉強して議論に参加していきたいと思う。
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