議員ウォッチ47 北海道編始まります!

2023.03.06

議員ウォッチは、統一地方選・核兵器禁止条約の第2回締約国会議に向けて、各地元団体(パートナー団体)とタイアップして、メンバー(主に大学生)が47都道府県を訪ねるキャンペーン「議員ウォッチ47」を始め、四国編、近畿編、九州編、中部編と走ってまいりました。

第5弾は、中部編です!リサーチャーの徳田悠希と高橋悠太が3月初旬に、札幌市を訪問し、議員との懇談、行政との面会を行います!

【北海道編スケジュール】
第19回 北海道
【3月7日】
13:00 札幌市区政課への取材(於札幌市庁舎)

      「札幌市の平和事業、被爆者派遣事業を中心に」
15:00 民主・道民連合との懇談 於民主・道民連合会議室
      「核兵器廃絶に向けて何ができるか、北海道の現状を踏まえて」
17:30 高校生平和大使たち若者との交流(於連合会議室 ほくろうビル5F)
      「核兵器禁止条約締約国会議・NPT再検討会議に参加して/高校生平和大使の取り組みなど」

【3月8日】
10:30 北海道結志会との懇談 (於結志会会議室)

      「核兵器廃絶に向けて何ができるか、北海道の現状を踏まえて」
11:00 共産党議員団との懇談 (於共産党会議室 予定)
      「核兵器廃絶に向けて何ができるか、北海道の現状を踏まえて」(仮題)
11:50 公明党議員団との懇談

14:30 ノーモア・ヒバクシャ会館訪問 展示視察・被爆者との懇談

【3月9日】  

10:00 記者会見(於道庁記者クラブ)


【3月7日】
13:00 札幌市区政課への取材

札幌市地域振興部区政課の奥木区政課長と、金子平和事業担当係長の2名と面会しました。
議員ウォッチからは、リサーチャーの徳田悠希、高橋悠太、KNOW NUKES TOKYOメンバーで北海道在住の吉田桜、北海道でコーディネートをしてくださっている北海道被爆者協会の北明邦雄

冒頭、札幌市の平和事業についてご紹介いただきました。
札幌市平和都市宣言や、平和へのメッセージを募集し、優秀賞受賞者を「札幌市平和訪問団」として、広島、長崎、沖縄などに派遣する事業などを行っているそうです。
さらに、札幌市内の戦跡や、体験の証言映像などが掲載された、デジタル資料館「札幌市平和バーチャル資料館」も運営しているとのこと。

また、市として、被爆体験語り部派遣事業を実施し、北海道被爆者協会と連携し、2022年度は小中高22校で被爆証言を聞く場が持たれています。

金子係長は、「札幌市平和都市宣言で掲げられた『核兵器廃絶都市』として、啓発を進めていく。正解、成果が見えるわけではないが、平和事業の担当係長をおいて、継続している」と、自治体の中でも継続的で前向きな取り組みの様子が伝わってきました。

核兵器禁止条約については、「札幌市は、平和首長会議に参加をしており、核兵器禁止条約へもその枠組みで賛同・推進している。イベントの際は、署名を集めるなどの取り組みを行っている」とのこと。
今後の継続、そして新たな発展を期待しています!

 

 

15:00 民主・道民連合との懇談

 続いて、北海道道議会の民主・道民連合所属の議員7名と懇談しました。広田まゆみ議員、高橋とおる議員、北口雄幸議員、山根まさひろ議員、ふちがみ綾子議員、畠山みのり議員、池端ひであき議員が出席し、核兵器禁止条約をはじめ、各地での反核運動や、北海道へのミサイル配備など、多様な議論がされました。


 核兵器禁止条約に対しては、「唯一の戦争被爆国として、参加するべきだった。」との意見もありました。
 また、リサーチャーの高橋より、日本での反核運動について、核実験の影響を受けた静岡や高知を例にあげ、「国と地方で考え方が異なる、北海道ではどのような考え方や取り組みを行っているのか」と質問。歴史の継承活動の他、神戸で実践されている、非核証明書の提出がない艦艇の入港を認めない、いわゆる”非核神戸方式”を、函館でも導入しようという運動や議会での議論があったとお話くださいました。この”函館条例”は、廃案になってしまったそうですが、核の持ち込みと実質的に向き合っていく必要を共有する時間となりました。

 さらに、自衛隊基地が多く存在することについて、「政府の動きを見ていると、北海道の基地が、ミサイル基地となる可能性もある。住民の中でも様々な意見があるが、配備されれば緊張が高まると考えている」とのことでした。
 議員のみなさんからも、若者の意識について質問されるなど、それぞれの認識を率直に話し合う場となりました。

  

 

17:30~ 高校生平和大使たち若者との交流

北海道で平和活動を行っている、開成中等教育学校5年の前田愛琉さんと小野彩花さん、北海道酪農学園大2年の黒田加奈さんと共に交流会を行いました。

冒頭、核兵器禁止条約の締約国会議に参加した徳田悠希から報告を行いました。ジェンダーの内容を中心とした報告では、核軍縮などの“ハード”な安全保障の議論=男性のもの、ではなく、女性を含めた、多様な人々の参加が必要であるということをお話しました。


また、会議内での取り組みとして、直接外交官に向けて、日本の市民社会やICANが作成した政策を提言するアドボカシー活動を行い、「ウィーン行動計画」に反映されたことを紹介しました。場所・年齢関係なく、それぞれにできることがあること、最後まで諦めないことが大切だと伺いました。

次に開成高校の2人が学校で行っているアクションの紹介をしてもらいました。記憶を風化させないためにどうすればよいか、札幌に原爆が投下されたらどうするか、等自分事として考えられる問い投げかけ考えてもらったそうで、核兵器廃絶に向けて意見を持つ学生が多かったり、グローバルな視点で考えている学生が多いと伺いました。

最後に将来のビジョンを話し合い、お互い刺激的な時間となりました。最近は核兵器という視点で広島・長崎を中心に考えていましたが、地元・北海道でも農業や子育て支援など多くの課題が存在していることを改めて認識しました。今後のみなさん個人個人での活躍を楽しみにしています。いつか一緒に活動したいです。(執筆:吉田桜)

 

【3月8日】
10:30 北海道結志会との懇談 

北海道結志会との懇談では、新沼透議員、池本柳次議員、白川祥二議員、大河昭彦議員、あかね広介議員、佐藤伸弥議員、滝口信喜議員の7名と面会しました。

核兵器禁止条約について、「日本が核兵器禁止条約に批准するべきだ、という考え方には同意をしている。」とし、それぞれの地域の活動の中で、運動に関わってきた経験などをお話くださいました。

一方、核兵器禁止条約に関する意見書など、道議会での取り組みについて、「道庁にぶつけても議論になりにくい。会派所属の議員は会派の主張を答えは分かり切っているし、(会派に)縛られている難しさがあるのではないか。生産性がないのではないか、と感じてしまうこともある。」と、議会構成による難しさにも言及しつつ、「市民運動・地域運動を通じて、上に通じるように頑張りたい。」としていました。

リサーチャーの高橋から、4月15日、16日で予定されているG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合に触れながら、「マーシャル諸島の友人とも話す中で、核の問題は安全保障の視点だけでなく、人間そのものや環境に大きな影響を与えていることを実感する。様々な切り口で、取り組みをしてほしい。」と発言。

また、意見書などの取り組みについても、「無所属の議員が集まり構成されている結志会のみなさんだからこそ、できる調整などに期待しています。」と伝えました。

      
11:00 共産党議員団との懇談

続いて、共産党の真下紀子議員、宮川じゅん議員、菊地葉子議員の3名と面会しました。

核兵器禁止条約などへの取り組みについては、「重要な課題なので常に取り上げたいが、会派の人数も少なく、あまり質問時間を確保できていない。」との現状や、意見書提出の調整の難しさをお話くださいました。

核兵器廃絶を北海道から訴える意義を問うと、「戦争被爆国として国際的な役割を果たしていかなければならない。北海道は自衛隊基地の4割占めており、有事になれば、攻撃を受ける可能性も高い。平和の発信を強めていかなければならない」との意見がありました。

 

また議員のみなさんから、若い世代として関心をもった理由を質問され、それぞれの経験や想いを語りました。

私たちの発言を受けて、「核兵器禁止条約成立に至るまで、長い歴史があった。北海道でも毎月署名をするなど地道な取り組みがあったことも強調したい」という言葉も。

若い世代がなぜ動いているのか、まずは声に耳を傾け、今までの活動を押し付けすぎず、それぞれのやり方で取り組みながら連携していければと思います。

11:50 公明党議員団との懇談

最後に、公明党所属の安藤邦夫議員、森しげゆき議員、中野渡志穂議員の3名と面会しました。

核兵器禁止条約への認識ついて、「条約の成立によって、法的な規範が出来た。署名までの橋渡しが出来ないのかという立場で、現実的な取り組みを模索している。公明党からは、浜田議員(当時)が、締約国会議にオブザーバーの立場で参加した。すぐには難しいが、人道的な立場で、推し進めていきたいと思っている。」とのこと。   

また今年11月に予定されている禁止条約の第2回締約国会議については、「様々な形で活動していきたい」。

北海道、とりわけ道議会での扱いについて問うと、「(核禁は)国のテーマになっていた。関心が低いわけではないが、道議会での議題としては弱い部分がある」と率直な意見をお聞きすることができました。

道議会のロビーで、公明党が提案して核兵器に関するパネル展を実施するなどの取り組みを通して、まずは自分事として考える場を作っているそうです。

最後に徳田から、「他地域では公明党が仲介して、意見書の提出に至った地域もある。皆さんだからこそできる役割があるように思う。パネル展などの取り組みとともに、道議会でも取り組んでほしい」とお伝えしました。

 

14:30 ノーモア・ヒバクシャ会館訪問

北海道被爆者協会が運営しているノーモア・ヒバクシャ会館を訪問しました。
市民の寄付で作られた3階建ての会館には、被爆の実相を伝えるパネルや持ち物はもちろん、反核運動の歩み、世界での核実験によるヒバクシャの声など、たくさんの展示がありました。
ここまでの訪問でも、ヒバクシャ会館についてみなさん言及されており、北海道で被爆、核兵器の向き合う貴重な場となっています。

見学の後は、語り部をされている金子廣子さんのお話を伺いました。5歳で被爆をした金子さんは、終戦とともに秋田に移住、お父様がなくなられたことを機に北海道に来られたそうです。
「被爆のことなんて知りたくない」と、遠ざけてきたそうですが、東日本大震災、福島での事故を目の当たりにして、活動を決意したそうです。

幼少期、いじめられるからと被爆者であることをひた隠しにしていたこと。結婚する際、金子さんが被爆者だと知ったパートナーの方が、医者に相談すると、「子供は持たない方がいい」と言われていたと、最近になって知ったこと。大切なお話をたくさん聞かせていただきました。

また、訪問したいと思います。ノーモア・ヒバクシャ会館のみなさん、ありがとうございました!

ご関心のある方、メディア関係者のみなさんのお問い合わせは下記アドレスまで、お願いいたします。
info[@]giinwatch.jp