元首相や国会議員の核共有や非核三原則に関する議論をまとめています【2月27日~3月6日】

2022.03.08

安倍晋三元首相のテレビ番組での発言に端を発し、様々な国会議員や政党が「核共有」の導入や、「非核三原則」の見直しなどを議論する旨の発言をしています。1週間ごとに、国会議員の核共有や非核三原則に関する議論をまとめています。【随時更新中 / ~3月6日】

2月27日

安倍晋三議員(自民党)
「日曜報道 THE PRIME」
ロシアがウクライナに軍事侵攻したことに関連し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部が採用している「核共有(核シェアリング)」について、日本でも議論をすべきだという考えを示しました。

 

2月28日

田島麻衣子議員(立憲民主党)
参院予算委員会
「首相経験者がニュークリア・シェアリングについての発言をされた。…日本で核共有についての議論を始める点について政府の立場をお聞かせください。」

岸田首相
「(核共有の)中身について、平素から自国の領土に米国等の核兵器を置き、有事には自国の戦闘機等に核兵器を搭載・運用可能な体勢を保持することによって自国の防衛のために米国の抑止力を共有する、そういった枠組みを想定しているものであるとするならば、非核三原則を堅持するという立場から考えて認められない。」

 

3月1日

岸田首相
記者会見
「(首脳電話会談にて)唯一の戦争被爆国、とりわけ被爆地広島出身の総理大臣として、核による威嚇も使用もあってはならない、こうした点を強調した。


山口那津男代表(公明党)
記者会見
「公明党は非核三原則をつくってきた立場だ。これからも三原則を堅持すべきで『作らず、持たず、持ち込ませず』という姿勢を貫いていくことが大事だ。」

松井一郎代表(日本維新の会)
記者会見
「核を持っている国が戦争を仕掛けている。昭和のままの価値観で令和もいくのか」

玉木雄一郎代表(国民民主党)
記者会見
「いきなり核共有の話にいくのは現実的ではないと思っているが、非核三原則のうち持ち込ませずの議論は国会の中でもきちんとやるべきであると思うし、党内でも議論を深めたい。」

山本太郎代表(れいわ新選組)
記者会見
「核兵器を共有することで抑止力につなげるという議論だと思うが、日本が核兵器を保有することには賛成しない。アメリカの核兵器を国内に持った場合、使用を決めるのはアメリカで、日本に主権はなく、アメリカと日本の植民地関係の強化にしかならない」

福田達夫議員(自民党)
記者会見
「(核共有について)議論は回避すべきではない。それが国民と国家を守るのであれば、どんな議論も避けてはいけない」

高市早苗議員(自民党)
記者会見
「国民の安全が危機的状況になった場合に限り、非核三原則の『持ち込ませず』の例外を作るかどうかについての議論を封じ込めるべきではない」

世耕弘成議員(自民党)
記者会見
「非核三原則を堅持する考えは支持するが、未来永劫(えいごう)やっていけるのか議論する必要はある」

松井一郎代表(日本維新の会)
記者会見
「核を持っている国が戦争を仕掛けている。昭和のままの価値観で令和もいくのか」

 

3月2日

日本維新の会
岸田文雄首相が否定した核共有や、非核三原則を見直す議論の開始を求める提言を2日に政府へ提出。
「核を持たない国は核保有国による侵略のリスクが高い」との認識を示し、「核に関する議論をタブー視することなく、非核三原則の見直し、米国の持つ核戦力の共有に関する議論を開始する」と盛り込んだ。

田名部匡代議員(立憲民主党)
参院予算委
「(安倍元首相が核共有について儀議論すべきと発言したが)岸田総理大臣は非核三原則を堅持するというわが国の立場から考えて認められないと答えているが、議論も認めないということか」

岸田首相
「平素から、自国の領土にアメリカの核兵器を置き、有事には自国の戦闘機などに核兵器を搭載、運用可能な体制を保持することで、アメリカの核抑止力を共有する枠組みを想定しているならば、非核三原則を堅持する立場や、原子力の平和利用を規定する原子力基本法をはじめとする法体系から考えても政府として議論することは考えていない」

 

3月3日

安倍晋三議員
自民党・安倍派の会合
「日本には非核三原則がありますが、世界はどのように安全が守られているのかという現実についてタブー視することなく議論しなければいけないと」

立憲民主党
談話
「…いわゆる核シェアリングは、非核三原則に反し、国際的にも核不拡散体制(NPT)の理念に反するものであり、我が国が採るべき選択肢ではない。」

日本維新の会
核共有の議論を政府に求める提言を、林外相あてに提出。
一方、被爆者団体などからの批判の声を受け「非核三原則の見直し」も議論すべきとの文言や、「核を持たない国は核保有国による侵略のリスクが高い」などの記述を削除。

志位委員長(日本共産党)
記者会見
「核による脅威を取り除く方法は一つしかない。全世界から核兵器を廃絶することだ。そのことを条約として刻んだのが核兵器禁止条約で、こちらの方向を目指さなければならない。」

 

3月4日

泉健太代表(立憲民主党)
記者会見
「核は威嚇に使うことも、実際に使用されることも許されない兵器。共有してどうするんですか。議論だけはいいなんていうのは詭弁。…大変、残念ですが(日本)維新の会や国民民主党まで非核三原則を揺るがす姿勢になって来ている」

 

3月6日

高市早苗議員(自民党)
日曜報道 THE PRIME
「非核三原則を守るのか、国民の命を守るのかという厳しい状況になったとき、この判断を時の政権がして、議論は縛ってはいけない。有事のときに持ち込ませずというところについては、自民党内でも、わたしは議論したいと思う」