緊急合同会見「核共有より核禁止!」~現状の理解と今後に向けて~ を配信しました

2022.04.10

3月9日、議員ウォッチ、カクワカ広島、KNOW NUKES TOKYOの3団体で緊急合同会見「核共有より核禁止!」~現状の理解と今後に向けて~ を配信しました。

2022年2月下旬にロシアがウクライナ侵攻を開始し世界情勢が不安定な中、日本では一部の国会議員により、核共有の議論がなされています。川崎哲さんは「日本が「核共有」を議論するということは、核兵器が非人道的で違法な兵器であるという認識の根幹を揺るがします。被爆国である日本が、核兵器を認めるということになるわけですから。そして国是たる非核三原則には当然反します。核兵器を持ち込ませるのですから、NPTにも違反します。軍事的にはナンセンスです。わざわざ目に見えるところに核を配備しても攻撃対象になるだけですから。政治的には悪影響しかありません。それは被爆国として核廃絶を訴えている日本に対する信頼の揺らぎとなってしまいます。周辺諸国も備えるので軍備拡張競争が進んでしまうので悪影響しかありません」と述べ、さらに、「核共有をする流れがなくとも核抑止力強化論には注意が必要です」と述べました。

また中村涼香(KNOW NUKES TOKYO共同代表)さんは広島長崎の原爆を踏まえて「広島長崎の経験から学ぶことは非常に多いのではないかと思います。」「核兵器の被害は局地的なものにとどまりません。時空を超えて長期的にその爪痕を残します。核兵器が落とされた先に何があって、何が起きるのかを再度考える必要があります」と述べた上で、「核兵器の先にある日常を守りたい」また「私たちの行動と決断で必ず変えることができると思っています。」と語りました。

続いて田中美穂(カクワカ広島共同代表)さんはこの情勢下での核兵器禁止条約の意義を語りました。「(この情勢下で)各国、世界に何ができるのかというと国際法、とりわけ核兵器禁止条約に加わることが重要になります。」「核兵器に頼らない安全保障を実現している地域が世界にあるということです。日本にできるのは北東アジアでの非核兵器地帯の形成を引っ張っていく責任があると思います。」さらに、政治家と市民の関係について「私たちは核兵器や安全保障の議論を政治家に任せているだけでいいのかと率直に思います」「市民が活動して声を上げることでお互いに理解を深めて議論していくことができるのではないかと思います。核配備なしに自国を守れるのかという思いを持つ市民の方々とも議論をしていくことがすごく大事だと思います」と述べました。

徳田悠希(議員ウォッチリサーチャー)さんは「もし核共有が進んだとき、最終段階に来た時に、私たち市民にとめる手立てがもしかしたらないのかもしれない。国会議員の方だけに任せていいのかと日々感じている」と言います。そこで私たちにできることとして徳田さんは「私たちが目指すべき道や、議論すべきことの正しい方向を考え広げていく力が私たちにはあります」「私たちが声を上げ続けることは無駄ではなく、議論を正しい方向にもっていくことができます。」と語りました。

最後に高橋悠太(KNOW NUKES TOKYO共同代表)さんが日本の課題と役割について語りました。「核共有の問題について、私たちは議論することに反対しているのではなく、核共有に反対しています」「政策を決める政治家が人々の不安や危機感を利用して議論を安易に進めたり、その中できちんとした懸賞や長期的な視点を持たずにその政権が決定を下すということを恐れているのです」と述べ、さらに「(日本の課題として)市民の中でも共有くらいはいいだろうという風潮を感じます」とし、「核兵器がもたらす傘下と安全保障は天秤にかけるものじゃないんですよ。広島長崎の実態の上にしか、安全保障の議論は成り立たない。もしその上に成り立たない議論をしているのなら、それは空虚な虚像だと思います。核抑止というものが広島長崎を繰り返しても致し方ないというモチベーションのうえにしか成り立たないということに自覚的になるべきだと思っています」「声を発しているがリスクもある。その声に市民や政治家はもっと丁寧に向き合うべきだし、それを一意見として流すべきではない」と強く訴えました。「今回の事態において、核兵器禁止条約や国際条約の弱点が見えてきた。見えてきたからこそ長期的な目線で何が有効で、規範を強めるために何が必要で、もし足らないんだとしたらどういった措置を補完しながら前に進めていくべきか、それを柔軟に考える時期に来た」「もっと危機感を持ち、何が今できるか何が一番効力があって長い目で見て持続可能かを考えながら進んでいく時期なんだろうと思っています」と締めくくりました。

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