今年6月には、核兵器禁止条約の第1回締約国会議が、8月のNPT再検討会議が開催されました。これらの会議や、社会情勢を踏まえ、先の臨時国会(第210回国会。2022年10月3日~12月10日)での核兵器禁止条約についての国会質疑をまとめています。(12月21日時点)
【情報は随時更新されます】
*「国会会議録検索システム」にて、「核兵器禁止条約」と入力し、検索を行いました。
*引用は要旨。
参議院 本会議 第3号 令和4年10月7日
【議事録の対象箇所】
山口那津男議員(公明党)
「…6月に核兵器禁止条約の第1回締約国会議が行われた。核保有国と非保有国の橋渡しのためにも、締約国会議へのオブザーバー参加を強く求め、批准に向けての環境整備を行っていくべきではないか。」
岸田文雄首相
「核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約だ。しかし、現実を変えるためには、核兵器国の協力が必要だが、同条約には核兵器国は一か国も参加をしていない。我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力をしていかなければならない。」
参議院 予算委員会 第2号 令和4年10月20日
【議事録の対象箇所】
谷合正明議員(公明党)
「NPT最終成果文書案には、核兵器の廃絶までの間、それが二度と使用されないよう締約国はあらゆる努力を尽くすことや、被爆者支援や環境修復支援、また、核兵器禁止条約そのものにも初めて言及がなされました。大切なことは、次回のNPT再検討会議にどう道筋を付けていくかということだ。…文書案の中身を最低ラインとして、…被爆者支援や環境修復についても具体的に日本が貢献すべきだ。」
岸田文雄首相
「核実験被害国における被害者支援、環境修復支援についても日本はこれまで積極的に行っているところだが、こうした協力についても今後日本として取組を続けていきたいと考えている。」
参議院 憲法審査会 第2号 令和4年11月9日
【議事録の対象箇所】
仁比聡平議員(日本共産党)
「6月、ウィーンで開かれた核兵器禁止条約第一回締約国会議は、核兵器の非人道性を再確認し、核兵器のない世界に向けた希望あるメッセージを発して、画期的な成功を収めた。唯一の戦争被爆国日本には特別の役割と責任がある。…その非人道性を世界に訴え、核兵器禁止条約を批准し、核兵器のない世界へ先頭に立つとき。」
衆議院 予算委員会 第7号 令和4年11月28日
【議事録の対象箇所】
櫛渕万里議員(れいわ新選組)
「ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の第一回締約国会議に出席した。日本政府がオブザーバー参加すら拒否したことは、外交的失敗だったと思う。米国と軍事同盟を結ぶオーストラリアも、NATO加盟国のドイツやオランダなど核の傘の下にいる国々も参加していた。…また、条約を推進する初めての国会議員会議では、れいわ新選組の提案で『我々は核抑止と核共有を安全保障策として正当化する動きが活発化していることに真剣な懸念を表明する』という文言を盛り込んだ。
…来月に国際賢人会議、来年五月には広島でG7サミットが計画されているが、当然ながら、それらは一年後に開かれる核兵器禁止条約の第二回締約国会議の参加につながると考えてよいですね。」
岸田文雄首相
「核兵器禁止条約は、核兵器のない世界を目指すという理想に向けて、出口に当たる大変重要な条約であると思う。しかし、その出口に至るまでに、核兵器を持っている国、核兵器国をこの議論に参加させなければ、現実は全く変わらない。…来年に向けて、国際賢人会議、またG7サミットなどの議論の中で、核兵器国をこうした核兵器のない世界へ向けての議論に巻き込むべく努力することこそ、我が国が唯一の戦争被爆国として果たすべき責任であると考えている。そのために現実的な対応を行っていきたい。」
櫛渕万里議員
「核兵器禁止条約のオブザーバー参加をすることは、今の総理のお答えに反しない。来年の第二回締約国会議に少なくともオブザーバー参加してください。そして、唯一の戦争被爆国の総理として、最高責任者として、二度と人類が核戦争に至らないよう最大限の努力をする、その意思を示すのが、この核兵器禁止条約に署名をする、そして批准をする、そのことであるということを強く申し上げる。」
衆議院 予算委員会 第8号 令和4年11月29日
【議事録の対象箇所】
櫛渕万里議員(れいわ新選組)
「昨日の核兵器禁止条約について議論させていただきましたが、本日は、北東アジア非核兵器地帯構想、いわゆる3プラス3について。一言で言えば、核兵器、核保有国三か国は、非核地帯となる日本、韓国、北朝鮮の三か国に対し、核兵器の攻撃や威嚇は行わないという保証を与えるもの。核によらない安全保障の枠組みをつくることができる。…東北アジアや東アジアには、地域の安全保障について話し合う多国間の枠組みがありません。3プラス3、取り組むつもりがあるか。」
岸田文雄首相
「地域の安全保障について様々な議論を行うことは重要であると思う。ただ、御指摘のこの非核兵器地帯構想については、やはり何といっても核兵器をめぐる信頼関係が基盤とならなければなりません。その際に、核兵器をめぐる透明性こそ信頼の基盤であると思う。ここに書いてある国の中には、透明性において極めて後ろ向きな国も含まれている。信頼の基盤がまだできていない。是非、信頼の基盤をつくった上でこういった議論が行われるような状況を実現していきたい、その上での議論を進めていきたいと考えている。」
参議院 外交防衛委員会 第9号 令和4年12月10日
第210回国会外交防衛委員会に、29号核兵器禁止条約の署名、批准を求める請願が付託されました。
【議事録の対象箇所】
理事会の協議の結果、保留となることが決定しました。
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