議員ウォッチ47 中部編 完走!

2023.01.31

議員ウォッチは、統一地方選・核兵器禁止条約の第2回締約国会議に向けて、各地元団体(パートナー団体)とタイアップして、メンバー(主に大学生)が47都道府県を訪ねるキャンペーン「議員ウォッチ47」を始め、四国編、近畿編、九州編と走ってまいりました。

第4弾は、中部編です!リサーチャーの徳田悠希が、2月から中部各県を順次訪問し、イベント開催や議員との懇談、行政との面会を行います!

【中部編スケジュール】

第15回 山梨
【2月1日】
13:30~ 韮崎市議数名との意見公開
夕方     市民団体のイベントに参加

【2月2日】
10:00〜 山梨県知事政策局との面会

第16回 静岡
【2月28日】
12:00~ 共産党系静岡市議・静岡県議と面会
13:00~ 原水協全国集会に参加

【3月1日】
午前:久保山愛吉さん墓前祭に参加、焼津市議との面会
13:00~ ビキニデー集会に参加
16:00~ ふじのくに県民クラブ、公明党、自民改革派の各1名の県議員と面会
18:00~ 原水禁講演に参加

第17回 岐阜
【3月3日】
11:00~ 岐阜県総務部との面会

第18回 愛知
【3月3日】
13:30~ 愛知県県民総務課との面会

 


現地活動報告 *随時更新

【2月1日】山梨県
山梨県の韮崎市を訪問しています!

13:30~ 韮崎市議・市民とみなさんと懇談

まず韮崎市議の功刀正広議員、守屋久議員、金井洋介議員、木内吉英議員の4名と、山梨県議の山田七穂議員を含む15名での懇談会でした!意見書採択に取り組んできた市民のみなさんの主導です。

韮崎市では、核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を求める意見書は採択されましたが、批准を求めるものは否決。採択への模索を続けています。

今回の懇談会に参加された議員の3名は自民党所属とのことですが、「地元の声を軸足に」と、意見書採択に前向きでした。

「核兵器の対極にはわたしたちがいる」という認識のもと、党派を超えて日本の核兵器禁止条約への署名・批准への動きが生まれています。

18:30~ TPNW批准を求める山梨県民の会で意見交換

TPNW批准を求める山梨県民の会」の会合に参加し、地雷廃絶日本キャンペーン代表理事の清水俊弘さんの講演の後、リサーチャーの徳田からも議員ウォッチの取り組みや、核兵器禁止条約の第1回締約国会議の渡航報告、今後のプランについてお話させていただきました!

「他県では各自治体がどう連携しているのか」「党派を超えて採択されるには」などの質問も飛び交い、これまで各地を巡って見えてきた突破口や知見を共有。議員ウォッチが全国各地をつなぐ「ハブ」の役割を果たしています!

【2月2日】

10:00~ 山梨県知事政策局の担当者と面会

知事政策局政策企画グループの廣瀬政策企画監と、県民生活総務課の担当者2名に対応していただきました。(長崎山梨知事に面会を申し込んでいましたが、多忙のため叶わず。)

廣瀬さんは「山梨県としては、核兵器に限らず、戦争そのものをどうしたらなくせるか、ということを考えて仕事に取り組んでいる。誰もが安心して生活できるようになれば、兵器があっても使おう、戦争しよう、とはならないと信じて、地域の生活から平和をつくっていきたい。」とお話していました。

また核兵器禁止条約に関して、「条約の個別の内容や、核兵器廃絶への道筋がどう示されていくのか、具体的なイメージを持ちづらい」として、「賛成とも反対ともいえない」としました。

長崎知事が未賛同であることに関しては、「個人としての想いや知事としての立場など、様々な要因があると思う。知事として必要だと思えば、意思表明をするだろう。」とおっしゃっていました。

リサーチャーの徳田からは、禁止条約は「声が取りこぼされてきた」人々の視点で作られた条約であり、核兵器を無くす課程でこの価値観が根付いた社会を創っていきたいこと、そして県としての平和への取り組みの重要性はもちろん、具体的な脅威を軽減していく「両輪」での取り組みが必要ではないかとお伝えしました。

今回は、具体的な知事の政策を調整する方とお話をして、今までの面会よりも、「知事の意思表明」の難しさを感じる面会になりました。しかし裏返せば、彼らが意見を表明することは、各地域から日本を動かす大きな力であるということです。引き続き、山梨県からの発信をウォッチしていきたいと思います!

議員ウォッチ47in山梨をコーディネートしてくださった現地パートナーの地雷廃絶日本キャンペーンの清水俊弘さん、そして繋がってくださったみなさん、ありがとうございました!今後の動きもご一緒していきたいと思います。


【2月28日】静岡

12:00~ 静岡市議会議員と面会

静岡に到着後、静岡市議会議員の内田隆典議員、市川正議員、杉本まもる議員、照井健議員、寺尾昭議員の5名(いずれも共産党)と面会をしました。

静岡市議会では、昨年、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を求める意見書が全会一致で可決されています。公明党や自民党から提出されたものだそうです。
面会した議員のみなさんは、オブザーバー参加を求める意見書を評価しつつ、禁止条約への署名・批准を求めるものを目指す必要を感じているとのことです。

議員のひとりは、「折に触れて核兵器禁止条約や平和教育に関する質問を議会でしているが、反応が悪い。それでも粘り強く続けていきたいと考えているし、あの手この手で、打ち出し方を変えながら訴えていきたい。核兵器禁止条約の署名・批准に関しても、そうした文言が入るように少しずつでも働きかけていけたら。」とおっしゃっていました。

13:00~ 静岡県議会議員と面会

市議との面会に引き続き、静岡県議会議員の鈴木せつ子議員(共産党)と面会。
静岡県議会でも、市議会同様、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を求める内容の意見書が全会一致で採択されました。この動きも、自民党や公明党が主導したそうです。

この意見書の内容について、鈴木議員は「オブザーバ参加、というのがミソで、批准だと厳しかった。」と述べ、議会の中での批准を求める意見書を可決することの難しさをお話してくださいました。さらに、「私は一人会派なので、意見書の内容の調整などに関わりづらい実態がある。」ともお話されていました。

それでも市民と連帯して取り組みを進めたい、との強い想いを述べ、今回叶わなかった県知事との面会を「なんとかして実現したい」と力強い言葉もありました。

13:30~ 日本原水協全国集会に参加

午後は、日本原水協全国集会に参加。各地で核兵器廃絶に向けて活動しているみなさんの報告や、マーシャル、そして高知からの声など、たくさんの報告がありました。

その後、分科会にも参加しました。被害者援助に関する分科会で、ジャーナリストの小山美砂さんが、「黒い雨訴訟」について講演し、「黒い雨訴訟の判決は、被爆者援護法の提供範囲を広げる画期的なものであった一方で、また新たな線引きを生み出し、切り捨てが続いている」と訴えました。

また、日本が核兵器禁止条約に参加するためには、「黒い雨による被害を認めさせること」が必要であるとし、これからの道筋についてお話されました。

また、ビキニ核被害に関する分科会では、高知の被ばく船員訴訟に関わる濱田さんや、下本さん(オンライン)が登壇されました。お2人には、昨年10月に議員ウォッチ47in高知で出会い、今回再会することができました!

 

【3月1日】静岡

9:30~  久保山愛吉氏墓参行進
10:15~ 久保山愛吉氏墓前祭

1954年3月1日、アメリカによる核実験がビキニ環礁で行われ、第五福竜丸など、多くの漁船が被爆しました。 第五福竜丸が帰港した静岡・焼津では、毎年1日、第五福竜丸無線長で、9月23日に亡くなった久保山愛吉氏が眠る弘徳まで行進し、墓前祭を行っています。今年は4年ぶりの現地開催ということで、多くの市民が集まっています。地元静岡の議員ウォッチャー・福原さんや、高知の濱田さんなど、今までご縁を繋いできたみなさんと参加しました。

 

墓前祭での来賓あいさつでは、第五福竜丸やビキニでの核実験で被害を受けた人々に対する連帯の決意とともに、核兵器禁止条約への参加を求める内容のものも多数ありました。

13:30~ 焼津市議と面会

墓前祭の後、リサーチャーの徳田が、焼津市議の秋山ひろこさん(無所属)と面会をしました。
焼津市議会は、2017年に核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書を採択していますが、その後は取り組みがあまりなされていないとのこと。2012年に市長が交代してから、第五福竜丸をはじめ、様々な取り組みに対する熱意が少し弱まってしまっている、とおっしゃっていました。

焼津市議会は女性議員が4名で、議会でのジェンダーバランスなどにも話が広がりました。

13:30~ ビキニデー集会

同時刻、静岡の議員ウォッチャー・福原さんが、ビキニデー集会に参加しました。以下、福原さんによる簡単なレポートです。
第五福竜丸船員の大石又七さんの義妹が風化させまいと語り継ぐ活動や、高知での船員被爆者の補償を求める裁判の原告代表二人がありました。また、マーシャル諸島よりロンゲラッブ元島民からの報告、および気候変動と核実験のダブル危機をダイバーから見た生々しい報告がありました。

16:30~ 静岡県議会議員と面会

静岡県議の中沢公彦議員(自民党)、蓮池章平議員(公明党)、盛月ひろみ議員(公明党)、林芳久仁議員(ふじのくに県民クラブ)、四本康久議員(ふじのくに県民クラブ)の5名が参加し、対話しました。非核の政府を求める静岡の会事務局長の志田さんと、静岡県原水爆被害者の会会長の石原さんのコーディネートです。

冒頭徳田から、昨年6月の核兵器禁止条約の締約国会議の報告をし、核抑止への姿勢、日本の後ろ向きな姿勢によって零れ落ちる視点などをお話しました。

意見交換の時間で、中沢議員は、「静岡はかなり頑張っている。自民党本部に「静岡からオブザーバー参加に関する意見書を提出する」ということを交渉し、納得してもらった上で、通している。」と、意見書採択に至った経緯をお話くださいました。

署名・批准については、「非核三原則の堅持や、核抑止に頼らない安全保障、核兵器廃絶というゴールは共有しているが、それは憲法を改正し、自衛の手段を明示してからだと考えている。米国の核の傘に頼った状況で、手順を踏まずに署名・批准に動き出したとして、自国の安全を担保できないとして「やっぱりできませんでした」という状況はなんとしてでも避けたい。憲法改正にまずは向き合ってほしい。」。

これに対して、リサーチャーの徳田は、「防衛力、軍事力の増強の先に、核兵器が存在したままでは、核保有の可能性や、そもそもの核の脅威が取り除かれない。核兵器禁止は、早急の課題だと捉えている。」と返答しました。

また、中沢議員は、「自民党の全国47都道府県県連の幹事長や政調会長会議で、オブザーバ参加や批准を求める意見書が毎回取り上げられる。それが、結果として岸田首相の発言など表に出てきていて、地方の声が届いているという実感はある。2017年、党は禁止条約のオブザーバ参加にも触れないでくれ、という雰囲気だったが、今回、石原さんと文言を調整した上で、党本部に掛け合った。地方の声を無視できなくなってきている。」とも発言。

「私たちのすべての変化の一歩は、身近な地域から」という力と影響力を、改めて感じる面会となりました。

18:00~ 被災69周年3・1ビキニデー全国集会

静岡編最後は、原水禁の3・1ビキニデーに参加しました。現地でイベントなどに一緒に参加した第五福竜丸展示館の市田真理さんが講演されました。

展示館の取り組みの紹介から始まり、市田さんが証言活動のサポートをしていた乗組員の大石又七さんの言葉や想いなどを「語り継ぎ部」としてお話してくださいました。また、被ばくしたのは第五福竜丸だけでなく、高知などの多くの漁船が被ばくしていること、そしてマーシャルの人々にも心を寄せながら、核兵器を無くしていこうと訴えました。

議員ウォッチ47、高知でお世話になった太平洋核被災支援センター共同代表の濱田さんや、高知大学の森先生とも再会。

そのほかにも、山梨でお世話になった方々ともお会いすることができました。議員ウォッチ47を通して、全国にネットワークが広がっていることを実感することができました。引き続き、連帯していきましょう!

【3月3日】
11:00~ 岐阜県総務部との面会

岐阜県総務部の担当3名と面会しました。

岐阜県での核兵器問題への取り組みについての質問に対して、「県として、なにか声明などは出していない。知事の核兵器禁止条約 への意思表示も、国政の様子などを見ながら慎重にしているのでは」とのことでした。

また、「知事の意思表明もそうだが、より民主的なプロセスである議会での意見書なども重要なのでは」とのこと。徳田からは、知事も投票で選ばれ、県民の想いを可視化する存在であること、そうした立場の方が意思表明することの重要性をお伝えしました。

県としては、夏には展示をするなど、平和への取り組みを紹介いただきました。引き続き取り組みをプッシュしつつ、首長の意思表明の重要性を共に考えていきたいと思います!

 

13:30~ 愛知県県民総務課との面会

中部編最後は、愛知県県民総務課の担当者2名と面会しました!

知事の核兵器禁止条約 への立場について、「様々な意見や要望を頂いており、現時点では、一律回答を差し控えている」とのこと。

平和への取り組みとして、愛知県と名古屋市共同で、戦争に関する資料館を戦後70年に開館。名古屋への大空襲や、被爆証言などを聞く機会も作っているそうです。実際に訪問してみると、その土地にある平和との繋がりを感じることのできる場となっていました。

これからの平和を考えるためには、足元の歴史から学ぶ平和と、具体的なアクション、どちらも欠かせません。共に進めていきましょう!

受け入れてくださったみなさん、本当にありがとうございました!