「政策決定者に連絡することに臆するな」ーICAN パリ・フォーラム報告

2020.04.12

プロジェクトリサーチャーの高橋悠太(慶応義塾大学学生)です。

今年2月、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の今後の活動について議論するフォーラムがパリで開催されました。各国から約300人が参加。日本からは川崎哲ICAN国際運営委員(議員ウォッチ代表者)他、複数の関係者が参加し、その中には私含め3名の大学生もいました。以下、フォーラムでの学び(一部)をご報告します。


様々なセッションがありましたが、「市長や議員、銀行を核兵器廃絶の活動に引き込むためには?」というテーマで展開されたワークショップは最も興味深かったです。

まず、議員・首長への働きかけや、世界の銀行・金融機関の核兵器製造企業への投融資の状況調査などの活動を行う
NGOスタッフから、それぞれの取り組みが紹介されました。彼らからは、「政策決定者に意思表示を促すため、臆することなく様々な手段で連絡を取ってみることが重要だ」などのアドバイスがありました。

ワークショップには、現職のフランス・グリニー市のフィリップ・リオ市長と、2019年に欧州議会に選出されたフランスの政治家のムーニール・サトウ議員が招かれ、参加者と対話していました。ムーニール議員は、「ICANの運動や核兵器禁止条約の理念には賛同する。だが、ヨーロッパの安全保障環境を見ると、今すぐにフランスが禁止条約に参加することはできない」と主張していました。逆に参加者からは、「議員に連絡するにはどうしたらいいのか?」など、直球の質問も数多く出ました。

ワークショップ後、進行役だったダニエル・ホグスタ ICAN キャンペーン・コーディネーターは、「ICANは、議員や首長とも日常的にコンタクトをとっており、こうした場に招待するのはとても簡単だ」と語ってくれました。


私はこのフォーラムを通して、こうした政策決定者と国民との対話の場を設定し、それを継続することの大切さを強く実感しました。

しかし、そうした議論のためには、まず国会議員が自身の核兵器問題への立場を明確に示す必要があります。議員ウォッチは、そのために継続して「#核兵器YesOrNo」を問うてきました。そしてこれは市民の1人1人が活用するためのツールです。気になる議員に直接、スマホから連絡できるのです。
有権者1人1人の「#核兵器YesOrNo」の問いかけで、国会議員を動かし、真っ正面から日本の未来を議論をしていきましょう。

*フォーラム直後、広島では、核政策を知りたい広島若者有権者の会とピースボートの共催で、自民党の寺田稔衆議院議員、立憲民主党の塩村文夏参議院議員を招いてのシンポジウムも行われました。