1月18日、「議員ウォッチ47 中間報告中間報告会~さぁ、次はあなたの町へ」を開催しました。議員ウォッチでは、大学生のメンバーらが、47都道府県を訪ねるキャンペーン「議員ウォッチ47」を進めています。昨年10月以降、四国編・近畿編・九州編を実施し、14の府県を訪ねました。自治体の首長や担当課の方との面会、地域で社会問題に取り組んでいる方々とイベントを開催してきました。
今回は近畿・四国・九州編について、各地のパートナーさんにも登壇いただき、中間報告を行いました。
近畿編
近畿では和歌山、大阪、兵庫、滋賀、三重、京都の各府県を訪ねました。
議員ウォッチャーの倉本芽美さん(立命館大1年)は「地域ごとに色があってそこに合わせた対策を現地の方とお話ししていく中で、考えることで、核廃絶への道も開ける。それが一番確実な方法なのではないか」と話しました。
近畿は訪れた都道府県数が多く、また京阪神の大都会では、核兵器廃絶に対して県内でも方向性の違いが多く「各都市ごとに誰とどういう話をするのか、様々な難しさがあった」と、リサーチャーの高橋悠太さんは振り返っています。
京都のまちと人と未来をつなぐ、生涯学習の場「京都カラスマ大学」(NPO法人)の理事長の高橋マキさんに登壇いただきました。カラスマ大学は様々な社会課題をテーマに授業(ワークショップ)を実施していて、今回は「核なき世界のつくりかた」というテーマで、議員ウォッチと授業を共催しました。
イベントの盛り上がりを伝えて頂きました。
近畿圏内では、今後もイベントを計画しており、継続的に活動したいとのことです。
四国編
10月下旬〜11月上旬に徳島・高知・愛媛各県をリサーチャーの徳田悠希さんらが訪問しました。
徳島県では、議員ウォッチャーで県内在住の児島久美子さんと一緒に、県庁訪問や徳島大学の学生との交流を行いました。今後はこの活動を通して出会った方々とイベントの開催を模索しているとのことです。高知県では「議員ウォッチの活動を通して、県内でのその後の取り組みがより活発になり、この活動の意義を感じた」とパートナーの岡村啓佐さんはおっしゃいました。
徳田悠希さんは「核兵器廃絶の動きは広島・長崎が引っ張っていくイメージが強いと思うが、高知という場所が様々な地域をつなぐ役割を果たしていることを感じた。核の問題はすべての地域が当事者で、広島や長崎だけの問題ではない」と話しています。
九州編
九州編はリサーチャーの中村涼香さんと、長崎在住の山口雪乃さん(大学2年)が福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島各県を訪ねました。
そのうち、熊本県では議会の党派の拘束の影響力が大きいようで、過去に核兵器禁止条約への批准署名を求める意見書採択も否決されています。そういう状況から、面会した議員からは、「意見書を採択しようとして、何の意味があるのかね・・・」と諦めの言葉をもらうこともあり、否定的な印象を受けたそうです。今後に向けて、「市民が意思をもって、アタックしていくことが重要だと感じた。また地元のホットトピックと核兵器を結びつけて議論を進めていく必要がある」(山口雪乃さん)と課題も見えてきました。
鹿児島県では昨年11月のCOP27に参加経験し、環境問題に取り組んでいる中村涼夏さん(record1.5 共同代表)と活動しました。核問題以外の社会問題にアクションを起こしている方と行動したことで、問題を複合的に捉えることで視野を広げるようなアプローチができたのではないかと思っています。
福岡県でお世話になった、元糸島市議会議員の藤井芳広さんは「議員ウォッチの取り組みを通して、市民の議員を見る目が変化し、選挙の際に市民から核問題の受け止め方を候補者に突き付けることで議員の構成が変わるのではないか。」と期待の声を寄せて下さいました。
九州編を振り返り、中村涼香さんは「各県や自治体によって核兵器の意見書採択の状況が違うため、それぞれの議会の様子を知っている私達がパイプとなって、各県の状況を共有し合うことができたら」と話していました。
地方議員や自治体関係者は「核問題は国政の問題であり、自治体レベルで考えることではない」という認識が強いです。ただ、こうした議論を市民の方から盛り上げていくことで世論の関心を高めることができるとも思います。それゆえに、日常的に核問題を議論することが重要です。
各地で活動されている市民のみなさんとの出会いを通して、新たなアクションが企画されるなど、活動の広がりがでてきました。
他の地域についても、現在調整を行っており、今後伺っていきます。今後も議員ウォッチ47にぜひご注目ください!