核兵器禁止条約への国会議員の賛同率内訳

2024.04.27

議員ウォッチの調べでは、現在の国会議員の核兵器禁止条約への賛同率が36%となっています。本記事では、その内訳と詳細についてご紹介します。(2024年3月26日時点)

【衆参別】

まずはじめに、衆参ごとの賛同率です▼

全体を見ると、やはり立場が不明(未回答)の人が目立ちます。2019年に議員ウォッチが発足した当初は十数パーセントの賛同率でした。その頃から比較すると賛同率はずっと上がり続けていますが、それは議員ウォッチのアンケートに回答する議員の数が増えたことも関係しています。

【政党別】

では、政党別の回答状況を見てみましょう。

この内訳を見て、明らかなのは自民党の回答率が突出して悪いことです。私たちは政党に関わらず「核兵器禁止条約」に特化して政治や国会議員などの動向を調査してきましたが、与党である自民党からの回答がなかなか得られないのが現状です。4月の衆院補選のアンケート調査においても、事務所の所在地が公開されておらず、アンケートをそもそも送れない議員が自民や維新に集中しています。往復はがきとメールを送付し、その上で事務所に足を運びアンケートを直接手渡しても、それでも回答を得られない場合もあります。私たち議員ウォッチは市民の皆さんからの寄付とボランティアによって活動が成り立っているため、調査に限界があることも事実ですが、こうした回答状況の悪さが核兵器禁止条約に関する議論の妨げになっていることは否めません。

しかし、自民の28人の議員は核兵器禁止条約に賛同しており、核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーとして日本政府が参加すべきと熱心に語る人もいます。与党だから一概に核兵器禁止条約に反対している、ということでもないようです。

そして、自民以外の政党に関しては核兵器禁止条約に賛同しない議員の割合は少ない傾向にあります。共産、れいわ、社民は賛同率が100%になっており、与党である公明党の賛同率も80%を超えています。

【男女別】

続いて、男女別の回答状況です。

こちらはあくまで傾向ですが、割合として女性の方が男性よりも核兵器禁止条約への賛同率が高い結果となりました。もちろん男性で賛同している人も、女性で賛同していない人もいます。

今回の記事で使用したデータはこちらからダウンロードすることができます▼
核兵器禁止条約に対する国会議員の意向状況(こちら

 

【終わりに】

今年は衆院解散・総選挙があるかもしれないと言われています。選挙が近づくと、議員のアンケートの回答率が上がる傾向にあります。それは選挙で当選するために、国会議員が有権者である私たちの声に耳を傾けようとするからに他なりません。本来であれば、普段から政治家と市民の間でコミュニケーションが活発に行き交うことが望ましいですが、現状私たちは選挙というタイミングを有効活用することが求められます。
しかし、先の記事でも私たち議員ウォッチのアンケートへの回答率が低いことについて言及しましたが、市民発信でアンケート調査を行うには相当な労力がかかります。政治の不祥事が頻発する中で、私たち議員ウォッチの活動は一層必要性を増していると思います。私たちは常に、ボランティアやマンスリーサポーターを募集しています。核兵器廃絶、そして日本の民主主義のために一緒に声をあげませんか?皆さんのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。